花の詩vol.66『エゴノキ』(エゴノキ科)

 エゴノキはエゴノキ科エゴノキ属の落葉高木です。

 

 日本では北海道から本州、四国、九州、沖縄まで広く分布し、山間の雑木林などで自生します。日本原産の花木で、『万葉集』にも登場します。

 

 また、家庭のシンボルツリーとしても人気のある樹木です。暑さ・寒さに強く丈夫です。が、成長が早いため、こまめな剪定が必要となります。自然な樹形を楽しむ木ですので、強剪定が必要にならないよう定期的に混みあった枝を抜いてあげると良いでしょう。

 5月頃、可愛らしい白い花を枝いっぱいにつけます。花からは爽やかで甘い香りがします。

 

 この記事を書いているのは7月ですので、花はもう終わってしまいました。今の時期に見られるのは、エゴノキの実です。

 

 直径1cm弱ほどの実を枝からぶら下げます。7月頃は淡い緑色をしていますが、秋に向かうにつれ茶色く色づいていき、最後は果皮が裂けて中から茶色い種子が出てきます。

 

 このエゴノキの実の果皮には「エゴサポニン」という有毒物質が含まれているそうです。このエゴサポニンの食味にはえぐみがあり、それがエゴノキの名前の由来です(※有毒ですので、くれぐれも食べないでください)。

 

 また、サポニンには界面活性剤の作用があり、水に溶けると泡立ちます。このことから、古くは実を石鹸代わりに用いていたそうです(別名:セッケンノキ)。

⇩エゴノキの若い実

エゴノキの若い実
エゴノキの若い実