マンサクは、日本の低山地に自生する花木です。
春にさきがけ、細いリボン状の黄色い4弁花を枝いっぱいにつけ、野山を明るく彩ってくれます。
春一番に咲く(まず咲く)ことから、この名があるといわれます。
近年、ニホンミツバチの減少が問題となっています。
そのニホンミツバチを引き寄せる不思議なランがあるのをご存じでしょうか?実は、私も不勉強で知らなかったのですが、お客様から教えていただいて、新たな発見を致しました。
イチョウは中国原産の落葉高木です。世界最古の現生樹種の一つとされ、「生きた化石」とも呼ばれます。
生長が早く、強い剪定をしても大丈夫な点や、燃えにくく大気汚染にも強いなど、街路樹や公園植栽として求められる性質を兼ね備えています。
そのためイチョウは、日本全国幅広く植えられています。
ツワブキは、キク科ツワブキ属の常緑多年草です。海沿いの草原や崖などに自生しています。
丸くてつやのある、フキのような葉が特徴的です。
古くから庭に用いられてきたツワブキですが、好まれる理由がいくつかあります。
まずは、日陰でもよく育つという点です。高木の真下などに植えても、元気に生育します。
ハギはマメ科の落葉低木で、秋の七草のひとつです。分布は種類にもよりますが、日本のほぼ全域に自生します。
背の低い落葉低木ではありますが、木本とは言い難い面もあります。
茎は木質化して固くなりますが、年々太くなって伸びるようなことはなく、根元から新しい芽が毎年出ます。直立せず、先端はやや枝垂れます。
ネジバナはラン科ネジバナ属の小型の多年草です。漢字では「捩花」と書きます。また、別名を「モジズリ(綟摺)」といいます。
ネジバナは日当たりが良い芝生地や、背の低い草地でよく見られる身近な植物です。
皆さんご存じの通り、7月7日は七夕です。七夕にはタケ・ササに願い事を書いた短冊をつけた、いわゆる『笹飾り』をするのが習わしとなっています(笹飾り、と呼ばれますが、タケでも問題はないようです。)
タケ・ササはどちらもイネ科タケ亜科に属します。
一般的には背の高くなるものをタケ、小さなものをササと区別することが多いですが、植物学的には以下の違いで区別するそうです。
ベニバナは、キク科ベニバナ属の一年草、もしくは越年草です。
原産地は特定されていないようで、アフリカのエチオピア、エジプトなど諸説あるようです。
日本には6世紀ごろ、シルクロードを経由し渡来しました。
~春の野にすみれ摘みにと来し我そ 野をなつかしみ一夜寝にける~ (万葉集・山部赤人)
春の野原へすみれを摘みに来た私だが、その場への親しみを感じてしまい、つい一夜を明かしてしまったなぁ
「一夜を明かした」とありますが、実際に野原で一晩寝たわけではありません。山部赤人が、儚げに咲くスミレの姿を見て「それほどこの野原に親しみを感じた」という誇張表現のようです。
日に日に気温も高くなり、春の訪れを感じる時期となりました。
日本の春に欠かせない花といえば、やはりサクラではないでしょうか。
今年はウメに続き、サクラの開花も例年よりかなり早くなりそうです。
記録的な暖冬で、雪の降らない日が続く新潟。
早春を告げる花であるウメですが、2月2日に早くも開花の発表がありました。これは、例年より41日、昨年より27日早く、観測史上最も早い開花だそうです。
県内のウメの産地である田上町では、毎年4月に「田上うめまつり」を開催しているそうですが、今年は開催を早めるか、検討がされるようです。
『マツ』とはマツ科マツ属の植物の総称です。
日本原産のものは7種類(クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツ、ハイマツ、チョウセンマツ、リュウキュウマツ、アマミゴヨウ)が知られています。
我々が住む新潟県とマツとは、切っても切れない深い結びつきがあります。
イネはイネ科イネ属の植物です。
イネの仲間には野生イネと栽培イネとがあり、我々の主食であるお米は、栽培イネの種子を収穫したものです。
トウモロコシ、コムギとともに世界三大穀物と言われ、全世界のコメの生産量は年間約4億8000万トンにものぼります(日本は約780万トン)。
ススキはイネ科の多年草で、秋の七草のひとつに数えられます。
十五夜の月見には、ススキの穂と白玉の団子とは昔から欠かせないものになっています。それほど、日本人はススキとの縁が深いのです。
カヤで屋根を葺くことも、昔から行われてきました。
ススキは、『尾花(おばな)』とも呼ばれます。風になびく穂の姿を指して呼ばれたものですが、秋の風情を強く感じる名です。
また、前回のナデシコと同じく、万葉集に多く詠まれた植物でもあります(全43首)。
カワラナデシコは、秋の七草の一つです。
日当たりのよい草原、河原、崖近くの斜面などの、水はけのよい場所に自生しています。
野生種の花色は薄紅紫色で、地域によって濃淡があります。
花弁は細かく深く切れ込んでいます。花期は7月から旧盆の頃までです。
ハイビスカスと聞くと、ハワイのような常夏の島をイメージする方が多いと思います。
しかし、実際にはハイビスカスの開花時期は6月から10月ごろまで。秋にもきれいな花を咲かせてくれます。
ハイビスカスにはハワイアン系、在来(オールド)系、コーラル系という3つの系統があります。
まずハワイアン系。こちらは園芸種の数が最も多い系統です。幅広の花弁で、大きな花をつけます。ただし、暑さにも寒さにもあまり強くありません。
次に在来(オールド系)です。こちらは前述のハワイアン系の源流となった系統です。
比較的小ぶりですっきりとした花をつけるものが多くあります。日本で一番多くみられる系統です。
最後にコーラル系です。コーラルとは『珊瑚』のこと。花の形が珊瑚に似たフウリンブッソウゲを基に交配された系統です。細く垂れた枝先に小さな花をつけます。
ラベンダーはシソ科の常緑小低木です。
日本では北海道・富良野のラベンダー畑が有名かと思います。
富良野地方で栽培されているのは主にイングリッシュラベンダーと呼ばれる種類です。高温多湿に弱く、寒さに強いのが特徴です。
日本列島の北部冷温帯には、ブナ、ミズナラからなる落葉広葉樹林が分布しています。そこでは、多種多様な動植物が共存する生態系が形成されています。
ブナの種には、ドングリやトチの実のような渋みや苦みがないのだそうです。そして、数年に一度、森の生き物たちが食べ尽くせないほどの種をまいて、子孫を繁栄させてきました。
おびただしい数の実を落とす植物にとっては、すべてが発芽してしまっては困るので動物に食べさせます。かといって、すべて食べさせてしまっては自身の子孫が育ちません。そこで、数年に一度の大豊作の年に子孫を残します。そして、不作の年をつくって動物が増えてしまうことを防いでいるのだといいます。
何と植物が動物の個体数をコントロールしているのだそうです。
地味で目立たないブナの花が、雪国の生物多様性を支えていることに、自然の偉大さを感じずにはいられません。
「クロモジ」という木を、皆さんはご存知でしょうか?
実は、″つまようじの木″として知られている木なんです。
クロモジの枝からは良い香りがするため、古来より楊枝に用いられました。和菓子をいただくときに添えられる、太くて硬い楊枝などがそれです。
低地の里山でよく見かける木ですので、その点でも材料にしやすかったのかもしれませんね。
学名:アドニス・アムルエンシスというように、自生地はシベリア南部と中国北部(アムール川流域)、朝鮮半島及び日本である。
早春に花を開き、同時に茎葉も伸びだして、6月には地上部は枯れて地下で芽が少しずつ大きくなる。
暑さに弱いが寒さにはかなり強く、土が凍っても生育できる。
《きれいな花を見るために》
・乾燥が嫌い:窓越しの日が当たる無暖房の部屋が理想。暖房器具の近くは過乾燥になるので避けること。
1日1回は霧吹きで水を与え、芽の表面がパリパリに乾いてしまったら静かに皮をむいてあげ
るとよい。
・加湿が嫌い:根腐れの原因となるので鉢の受け皿に水を溜めないようにし、表面の土が乾いてから水やりを
行う。
《もう一度花を見るために》
・根は30㎝以上も伸びる:地植えが理想。鉢植えであれば、春になったら7号鉢以上の腐葉土たっぷりの柔
らかな土に植え替える。
・暑さが嫌い :春は日当りがよく、夏は木陰になる落葉樹の下が理想的。地上部が見えなくても
土の中で育っているので乾燥に注意。
・1年だけであきらめず :株が弱っていると翌年に花が咲かないこともあるが、生産地では3年間育てて花
を咲かせている。
皆様はカエデと聞くと何を思い浮かべますか?
ひとつ有名なのは、カナダの国旗(サトウカエデの葉)でしょうか。カナダと言えばメープルシロップ。こちらはサトウカエデの樹液を煮詰めてつくられます。
カエデ属は世界に約150種、日本にも26種が確認されている、我々にとって非常に身近な樹木です(右の写真はイロハモミジ)。
カエデと言えば、やはりまず目が行くのが、この特徴的な葉の形でしょう。
掌状に切れ込むもの(イロハモミジなど大多数)、複葉のもの(メグスリノキ、ミツデカエデ)、まったく切れ込まないもの(ヒトツバカエデ、チドリノキなど)と様々ですが、どれも葉が2枚ずつ枝に向き合ってつく(対生する)点は共通しています。
7~8月頃に花を咲かせる水生植物です。
「ハス」という名の由来は、「蜂巣(はちす)」が訛ったものだそうです。花が落ちた後にあらわれる果托(かたく)がハチの巣に似ていることから、こう呼ばれるようになりました。
「ハス」と混同されがちだが、ハスはハス科で別ものである。
和名のヒツジグサ(未草)は「未の刻(午後2時)」に花を咲かせるからと言われている。
実際は明るくなると咲き、暗くなると花を閉じる。
漢名の「睡蓮」はその習性を表しているのだろう。
ヒメイワダレ草は東南アジアから南米にかけての亜熱帯に自生する多年草です。
繁殖力は旺盛で他の雑草の生育抑制が期待できるので、グランドカバープランツとして人気となっています。
耐寒性があり肥料もほとんど必要ありませんが、極端に日陰の場所や水はけが悪く常に湿潤なところでは、生育不良となる場合があります。
ウツギと名のつく植物は、ウツギ・バイカウツギ・タニウツギ(スイカズラ科)など多数あります。
左の写真はウツギの花です。小さく可愛らしい花をつけます。
昨今、モモの花はひな祭りに飾るものと思われがちですが、新暦3月3日に自然にモモの咲くところはほとんどありません。
例年、モモの開花時期は3月中旬~4月中旬頃です。
また、ひな人形とモモの花を一緒に飾るという風習は、どうやらごく最近言われるようになったもののようです。
ウメは中国原産でありながら、最も日本的な花のひとつとして親しまれています。
サクラと同じバラ科ですが、サクラの華やかさに比べて、より素朴な印象を与えるところがウメの良さと言えるでしょう。苔むした古木の枝に咲く花の風情は、まさに日本的です。
弊社名「景」の印刷物の書体は、新発田市板山の禅寺 護法山板山寺(曹洞宗)前住職 故石井月照師によるものです。平成9年、社名を変更する際に書いていただきました。