花の詩vol.11『コスモス』(キク科)

日本各地の秋の人里を彩るコスモスの花。その姿は、代表的な秋の風物詩として親しまれている。

熱帯アメリカ原産。日本には、明治中期頃に渡来したと言われる。

 

外来のコスモスが、短期間のうちに日本中に伝わり、花壇の花としてだけでなく、路傍や河川敷などの半野生植物としても分布を広げた主な理由は、コスモスの性質と日本の風土との相性のよさにあると考えられる。

 

本来は一重咲で、「秋桜」といわれるように秋に開花するのは、夜の長さが10時間以上にならないと花芽を作らない(短日植物)性質があるからであるが、最近では6月に咲く品種や八重咲きなど多様化が進んでいる。

 

コスモスといえば、歌詞「コスモス」を創刊した歌人「宮 柊二」は新潟県出身。昭和歌壇に大きな足跡を残した人物であり、新潟県各地の校歌を作詞したことでも馴染み深い。

 

「たわたわに 吹かれ乱るる コスモスは 風道のなかに あるにやあらむ」

                            (宮 柊二)