花の詩vol.10『ヒマワリ』(キク科)

ヒマワリは、観賞用のほかに、果実を炒って食べたり、食用油をとるのでよく知られています。原産地はアメリカです。

北アメリカの近代の植物誌では、「カナダのマニトバ州からアメリカ合衆国のテキサス州にかけての地域に野生する」と記されています。ヨーロッパでは16世紀の末には栽培され、17世紀には広く行きわたっていました。

 

痛いほど強い夏の光を受けて咲いている大きな頭花は、それ自体がまた太陽のようで、縁の舌状花は放射する炎のようにも感じられます。

 

この花は、ゴッホの絵でよく知られています。また、1643年から1715年までフランスの王位にあった太陽王ルイ14世の紋章にされました。

 

ヒマワリも、中国名向日葵も、太陽の運行に従ってまわるという見たてですが、実際はまわることはありません。(「世界の植物」朝日新聞社刊)

 ある時、私の住む地域で、行く人の目を楽しませようと道路の両側にヒマワリを植えた。ところが、東側のヒマワリは、東側を向いて道路に背を向けてしまったのである。みんなで、この地域にふさわしいはずかしがり屋のヒマワリだと笑ったものだ。