花の詩vol.34『イネ』(イネ科)

 イネはイネ科イネ属の植物です。

 

 イネの仲間には野生イネと栽培イネとがあり、我々の主食であるお米は、栽培イネの種子を収穫したものです。

 

 トウモロコシ、コムギとともに世界三大穀物と言われ、全世界のコメの生産量は年間約4億8000万トンにものぼります(日本は約780万トン)。

 

 

 イネのルーツは中国南部の雲南~ラオス、タイ、ビルマ周辺に広がる山岳地帯と言われています。イネの伝播については、農林水産省HPにて詳しく紹介されています。

 

(出展:農林水産省Webサイト【http://www.maff.go.jp/j/agri_school/a_tanken/ine/01.html】)

 

 イネが日本に伝わったのは縄文時代後期と言われ、古くから日本人の主食となってきました。故に、イネもまた、万葉集で多く登場する植物となりました。

 

 万葉集の中では『早稲(わせ)』、『早稲田(わせだ)』という言葉でよく詠まれています。

 

 秋の訪れを詠んだもの、穂が垂れた姿を物思いにふける姿に重ねたもの、早稲という単語から幼い娘を連想させるものなど、様々です。

 

 

 ~秋の田の 穂向きの寄れる 片寄りに 我はもの思ふ つれなきものを~

 

 (秋の田の稲穂が垂れているように、私はあなたの事だけを想っています。あなたは知らないふりをしているけども。)