花の詩vol.36『ウメ』②(バラ科)

 記録的な暖冬で、雪の降らない日が続く新潟。

 

 早春を告げる花であるウメですが、2月2日に早くも開花の発表がありました。これは、例年より41日、昨年より27日早く、観測史上最も早い開花だそうです。

 

 県内のウメの産地である田上町では、毎年4月に「田上うめまつり」を開催しているそうですが、今年は開催を早めるか、検討がされるようです。

 ところで、昨年は元号が平成から令和へと改元された年でした。その際話題になったのが、この『令和』の出典についてです。

 

 『令和』の出典は、万葉集第5巻「梅花の歌三十二首」の序文だそうです。

 

 ~初春の令月にして 気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 

  梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す~

 

 初春のめでたい月に、空気は澄み、風はさわやかである。

 梅は、鏡の前で化粧に使う"おしろい"のように花をひらき、蘭は(女性が)身にまとった香のように薫っている。

 

 『令和』には、厳しい冬を乗りこえて花を咲かすウメのように、日本人ひとりひとりが明日への希望と共に、それぞれの花を咲かせることができる。そうした日本でありたい、という願いが込められているそうです。

 

 ウメの花には、そういった希望を抱かせる、美しさや力強さがあるのです。