花の詩vol.39『フジ』(マメ科)

 フジはマメ科のつる性落葉樹です。

 

  垂れ下がった穂のような花序に、紫や白、ピンク色の花をつけます。

 

 柔らかな、どこか女性的な美しさを感じさせる花です。

 

 日本には「フジ(ノダフジ)」と「ヤマフジ」が自生しています。この両者を区別する大きな違いとして、ツルの巻き方があります。上から見て時計回りに巻くのがフジ、反時計回りに巻くのがヤマフジです。

 

 フジは非常に樹齢の長い植物としても知られています。埼玉県春日部市の藤花園の藤は、なんと樹齢1200年にもなるそうです。観賞用として愛されてきた歴史も古く、花序の長いもの、八重咲のものなど、品種も多数あります。日本最古の歴史書である「古事記」にも、フジの花は登場するそうです。

 

 また、フジはしばしばホトトギスとセットとして扱われ、歌に詠まれています。花札の絵柄でもご存じの方はいらっしゃると思います。

 

 ~藤波の 咲きゆく見れば 霍公鳥 鳴くべき時に 近づきにけり~(大伴家持)

 フジの花が咲いてゆくのを見る。ホトトギスがなく時期になったのだなぁ。

 

 今年は新型コロナウィルスの影響でフジのライトアップなどイベントが中止になっています。まだまだ我慢の時期です。