花の詩vol.41『タケ』(イネ科)

 皆さんご存じの通り、7月7日は七夕です。七夕にはタケ・ササに願い事を書いた短冊をつけた、いわゆる『笹飾り』をするのが習わしとなっています(笹飾り、と呼ばれますが、タケでも問題はないようです。)

 

 タケ・ササはどちらもイネ科タケ亜科に属します。

 

 一般的には背の高くなるものをタケ、小さなものをササと区別することが多いですが、植物学的には以下の違いで区別するそうです。

 タケ・・・生育後、葉鞘が落ちる。葉に格子目がある。

 ササ・・・生育後も葉鞘がついたまま残る。葉に格子目がなく、平行脈。

 

 このことから、『オカメザサ』などは背の低さから“ササ”の名がついていますが、上記の特徴からタケに分類されます。

 

 このほか、タケは約120年周期で開花するのに対し、ササは50年前後の周期だそうです。開花周期による判別は、容易でないですね。

 

 タケといえば、日本最古の物語ともいわれる『竹取物語』があります。この物語は、光るタケの中から、竹取の翁がかぐや姫を見つけるところからスタートします。

 

 この、竹取の翁がタケを取っていた時期ですが、新月の夜とする説があるそうです。 

 

 古くから、新月の時期に切り出した木材は丈夫で虫がつかず、長持ちすると言われていました。そういった

考えから、竹取の翁も新月の夜にタケを取っていたのでしょうか。

 

 月明かりのない新月の夜に、輝くタケ。まるで月の光が地上に降りてきたかのような表現です。物語の展開からも、作者の表現の奥深さを感じます。