花の詩vol.53『シュウメイギク』(キンポウゲ科)

 シュウメイギクは、漢字では「秋明菊」と表記されます。

 

 その名の通り秋の風情を感じさせてくれる花で、花壇や鉢植えだけでなく、切り花としても好まれます。

 

 ただし、キクの仲間ではなく、アネモネなどと同じキンポウゲ科の多年草です。

 日本や中国に自生していますが、日本のものは古くに中国から入ってきた帰化植物と言われています。

 

 中国から日本に入り、京都の貴船地方で野生化したものをキブネギクといい、これが本来のシュウメイギクだったそうです。

 

 ただ、現在は類似種および交配種も含め、その総称としてシュウメイギクという名が用いられています。

 

 背丈は~1mほど。8月中旬~11月頃、白やピンクの花をつけます。花びらに見える部分は花弁ではなく、色づいたがく片が菊花状に並んだものです(花弁は退化しています)。

 

 繁殖力は非常に旺盛で、地下茎が伸びて各節から子株を出して増殖します。

 

 自然状態では、午前中は日が当たり、午後は明るい日陰になるような場所に自生する半陰性植物です。木漏れ日のさすような、やや湿った土地に好んで育成します。

 

 耐寒性・耐暑性に優れ、非常に丈夫な植物と言えます。

 

 和風庭園にも洋風庭園にもマッチする花ですので、上記のような場所があれば、植えてみてはいかがでしょうか。