花の詩vol.56『プリムラ』(サクラソウ科)

 プリムラは、サクラソウ科サクラソウ属の園芸植物です。

 

 プリムラ(primula)とは、本来はサクラソウ属のラテン名なのですが、現在では主にこの園芸品種を指して呼ぶことが多くなっています。

 

 英名ではプリムローズ、独名でプリメル、仏名でプリムベールと呼ばれます。

 

 これらはいずれも「最初の」という意味を表す、ラテン語の“プリマ(prima)”という言葉に由来しています。この花が春一番に咲くというところから、この名がついたのでしょう。

 現在では、品種交配・改良が進んでおり、非常に多くの品種が出回っています。栽培技術の向上もあり、プリムラ・ジュリアンやプリムラ・ポリアンサなどは種類によっては11月上旬から店頭に並んでいます。

 

 寒さに強く、冬の戸外で植物体が凍っても平気です。明け方の最低気温が-4℃程度になっても、ベランダや軒下ならば大丈夫です。雪をかぶっても傷みません。

 

 逆に夏の高温多湿には弱く、夏越しが難しいため、本来は多年草なのですが一年草の扱いとなっています。

 

 また、直射日光を好み、日光不足だと短命に終わってしまいます。室内に飾ったのでは花が咲き続かず、葉もへたってしまいます。ですので、冬の置き場は戸外の日だまりが適しています。

 

 長く咲き続かせるコツは、花がら摘みです。満開の花の中央部を押し広げると、複数の幼蕾が集まっていることに気づきます。古い花を摘んであげることで、それらがまた元気よく咲いてくれます。

 

 花がら摘みと下葉の整理をこまめに行うことが大切です。